中央銀行デジタル通貨に関する日本銀行の取り組み

概要

世界を見渡すと、デジタル社会における国民の基礎的な決済手段として、「中央銀行デジタル通貨」(CBDC)の導入に関する議論が、ここ数年多くの国で盛り上がっています。
日本銀行も、一昨年の10月に、自らの「取り組み方針」を公表しました。この方針に沿って、昨年4月に技術的な実証実験をスタートし、本年4月には実験の第2段階に移行する予定です。本講演では、CBDCの検討を預かる現場から、実証実験の進捗状況や今後の制度設計にあたって議論すべきポイントなど、わが国の最新の取り組みについてお話しします。

スピーカー

奥野聡雄

日本銀行 決済機構局審議役 デジタル通貨総括

1993年東京大学法学部卒、日本銀行入行。2013年政策委員会室法務課長、15年金融市場局市場調節課長、17年企画局政策企画課長、19年企画局参事役、同年高知支店長を経て20年7月より現職。
現在は日本銀行における一般利用型CBDCに関する検討を担当し、実証実験(概念実証フェーズ1、フェーズ2)および制度設計面の検討に取り組んでいる。オックスフォード大学院修了。